健康トピックス

快眠のヒントQ&A

Q. 十分寝ているはずなのに、日中眠くなるのはどうして?

A. 日中の眠気は、睡眠時無呼吸症候群など病気が原因のこともありますが、多くは睡眠不足によるものです。成人は6~8時間の睡眠が必要とされますが、「6時間以上寝ていればOK」とは限りません。必要な睡眠時間には大きな個人差があり、年齢や性別、活動量、季節によっても変化します。

こんなサインがあれば、睡眠時間の見直しを

  • 日中眠くなる
  • 平日と休日の睡眠時間に2時間以上の差がある
  • 朝すっきり起きられない

今の自分に必要な睡眠時間はどうやって判断する?

 加齢とともに眠れる時間は短くなり、平均的には15歳で約8時間、25歳で約7時間、45歳で約6.5時間、65歳で約6時間といわれています。ただし、大切なのは「何時間寝たか」だけでなく、起床後に疲れがとれたと感じるかどうか(睡眠休養感)です。睡眠休養感が低いと、肥満・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病リスクが高まることがわかっています。また、米国の調査では、睡眠時間が短くても睡眠休養感のある人は死亡リスクが低いことも示されています。

40~64歳の働く人の睡眠時間・睡眠休養感と死亡リスクの関連のグラフ(睡眠休養感なし:5.5時間未満1.54倍、5.5時間以上6.9時間未満1.28倍、6.9時間以上0.55倍/睡眠休養感あり:5.5時間未満1.34倍、5.5時間以上6.9時間未満を基準、6.9時間以上0.55倍)

*は基準との差が統計的に有意であることを示す。
出典:「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(Yoshiike T, Utsumi T, Matsui K, Nagao K, Saitoh K, Otsuki R, Aritake-Okada S, Suzuki M, Kuriyama K. Mortality associated with nonrestorative short sleep or nonrestorative long time-in-bed in middle-aged and older adults. Sci Rep 12: 189, 2022. より作成)

Q. なかなか眠れない…寝室で気をつけることは?

A. 快適に休むためのカギは「寝室の環境」です。光・温度・音の3点を意識して環境を整えることが、睡眠の質を高めることにつながります。

眠りやすい寝室づくり 3つのポイント

眠りやすい寝室のイラスト

光

 就寝前に強い光を浴びると睡眠を促すメラトニンの分泌が抑制され、眠りにくくなります。寝室は暗くしてスマホなどを持ち込まないことが大切です。

 夜間トイレに行く際は間接照明や足元灯を活用し、目に入る光の量を抑えましょう。

温度

 寝室は暑すぎず寒すぎない程度で、冬場は就寝前に暖かい部屋で過ごしましょう。

 夏場はエアコンを上手に使い、涼しく感じられる室温を維持しましょう。

音

 テレビの音や人の話し声、外の騒音など、気づかないうちに眠りを妨げている音もあります。就寝時にはテレビを消す、スマートフォンやタブレット端末の操作をしない、遮音カーテンを使用するなど、落ち着いて眠れる静かな空間をつくりましょう。

参考:「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(厚生労働省)


みんなの健康 飲酒量の把握は、「純アルコール量」で

飲酒量の把握は、「純アルコール量」で

 2024年度から開始された第3次健康日本21では、生活習慣病のリスクを高める飲酒量について「1日当たりの純アルコール量」を男性40g以上/女性20g以上としています。お酒のラベルに表示されていないこともあるため、純アルコール量を把握するには計算が必要です。お酒をよく飲む人は、飲みすぎていないか、ふだんの飲酒量を純アルコール量で把握しておきましょう。

純アルコール量(g)= 摂取量(mL)× アルコール濃度(度数/100)× 0.8(アルコール比重)

[例]ビールロング缶(5%)の場合…500(mL)×0.05×0.8=純アルコール量20g

 政府の要請により、純アルコール量を表示する酒類メーカーも増えてきています。各社のホームページでも紹介されていますので、いつもの銘柄が決まっている人はアクセスして確認してみましょう。

 純アルコール量で男性40g以上/女性20g以上飲まなければ生活習慣病にならないというわけではありません。飲酒量は少ないほどよく、世界保健機関(WHO)等によると、摂取する純アルコール量が少ないほど健康リスクは少なくなると報告されています。

飲酒で上がる、病気のリスク

 「酒は百薬の長」といわれたのは過去の話で、飲酒自体がさまざまな病気の発症リスクを上げてしまうことがわかってきました。とくに女性は男性と比較すると、体内の水分量が少ないこと、分解できるアルコール量が少ないことなどから、アルコールの影響を受けやすいため注意が必要です。

 とはいえお酒は、人類が数千年も前から造り続けている身近な嗜好品です。リスクを理解したうえで、健康を第一に嗜むようにしてください。

リスクが上がると考えられている病気と純アルコール量

男性 女性
脳卒中(出血性)週150g以上少しでも
脳卒中(脳梗塞)週300g以上週75g以上
虚血性心疾患・心筋梗塞研究中研究中
高血圧少しでも少しでも
胃がん少しでも週150g以上
肺がん(喫煙者)週300g以上データなし
肺がん(非喫煙者)関連なしデータなし
大腸がん週150g以上週150g以上
食道がん少しでもデータなし
肝がん週450g以上週150g以上
前立腺がん(進行がん)週150g以上データなし
乳がんデータなし週100g以上

厚生労働省「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」より作成

当健保組合では今年度の特定健康診査の結果から、飲酒量や飲酒頻度の高い被保険者に対して「情報提供冊子」の配布を実施します。この機会にご自身の飲酒習慣について今一度見直してみましょう。


これからの女性の健康管理術 ひどい月経トラブルに悩んでいます

監修:丸の内の森レディースクリニック 院長/医学博士 宋そん 美玄みひょん 先生

 月経が近づくと、体がむくんだり便秘になったり、ささいなことでイライラします…。月経が始まると下腹部痛や頭痛がひどくて鎮痛剤が欠かせません。仕事や日常生活にも支障が出て困っているのですが、こんなことで病院に行っていいのでしょうか?(30代・女性)

月経による不調は我慢しない

 女性の中には、PMSや月経困難症を「当たり前のもの」「我慢するもの」と思っている人もいるのでは? しかし、鎮痛剤がないと耐えられないほどの痛みがある状態は、けっして正常とはいえません。「こんなこと」などと思わず、一度婦人科を受診し病気を疑ったり治療を受けたりする必要があると考えましょう。

月経前症候群(PMS)
月経の1週間程前から始まる身体的・精神的な不調のこと

月経困難症
強い下腹部痛や腰痛、頭痛などの月経症状により日常生活に支障をきたすこと

企業経営への影響も明らかに

 月経は、妊娠を望んでいるタイミングでは必要なものですがそうでないときは体にとって大きな負担です。現代の女性は昔の女性に比べて生涯月経の回数が増加しており、子宮周辺が病気にさらされるリスクも高まっています。

 また、近年は企業経営への影響も明らかになっています。月経トラブルによる不調は、病欠(アブセンティーズム)だけでなく、出勤していても生産性が低下した状態(プレゼンティーイズム)を招き、年間で約4,911億円※の労働損失をもたらすと試算されています。

※出典:経済産業省 ヘルスケア産業課「健康経営における女性の健康の取り組みについて」(平成31年3月)

大きな病気が隠れている可能性もあり

 生活に支障が出るほどの月経トラブルがある場合、子宮筋腫や子宮内膜症などの病気が原因となっている可能性があります。子宮内膜症と診断された方の多くはひどい月経痛の症状があります。これらは不妊の原因にもなりうるため、早期から予防・治療をすることが重要です。

 また、月経以外での不正出血も子宮や膣の病気が隠れている場合もあります。手帳やアプリにご自身の月経周期を記録しておくと、不正出血の発見に役立ちます。

子宮筋腫
子宮筋層に発生する良性の腫瘍

子宮内膜症
子宮の内膜に似た組織が、本来あるはずの子宮の内側以外の場所にできてしまう疾患

 月経にまつわる痛みや不調は人と比べる機会が少ないため「みんなこんなものだろう」と思いがちです。しかし、症状には個人差がありますので、ご自身がつらいと感じたらぜひ婦人科へ相談してください。

低用量ピルなどで治療が可能

 治療には、鎮痛剤以外にも低用量ピルが有効です。低用量ピルには「避妊薬」のイメージがあるかもしれませんが、れっきとした月経困難症の治療方法の一つです。適切に服用することで、月経痛や出血量を軽減し不調を和らげることができます。

 月経困難症の治療を目的とした低用量ピル(LEP)は、健康保険が適用されます。継続的な服用が必要になりますが、ジェネリック医薬品にすれば費用を抑えることが可能です。月経トラブルに悩まされている方は、一度信頼できる医師から説明を受け、服用を検討してみてください。

つらい月経トラブルは
「当たり前のこと」ではありません。
適切な治療で症状を改善しましょう

 総務省の労働力調査によると、女性の労働人口は全体の約44%を占めており、多くの職場で女性が重要な役割を担っています。誰もがいきいきと働き続けられる環境づくりのためには、女性特有の健康課題への理解と支援がますます重要になっており、当健保組合では、女性の健康に関する正しい知識の普及や健康増進に役立つ情報提供に取り組んでまいります。